『芸術は長く、人生は短し』

今は、私たちの観光業界だけでなく、
(映像やバーチャルを使わず)物理的に五感で体験・触れることで、
その本物の醍醐味を味わうことのできる、
「文化・芸術・芸能」業界も同様に、大変な打撃を被っています。
そんな折に、母校において、同学部の大先輩である人間国宝の
野村万作様と、推薦校友でいらっしゃる萬斎様の親子共演、
『第12回 早稲田 狂言の夕べ』が開催されることを知り、
6月30日(水)に久し振りに早稲田の地へ。
我が母校の感染対策は大丈夫かな?・・・という不安もありましたが、
入退場口付近混雑緩和のため、番号ごと少人数で仕分け入退場させる徹底ぶり。
5m間隔くらいに立つ係員によるマスク・手指消毒の徹底啓蒙、座席も
2~3席おきに配置されて独り言以外(笑)の会話は、会場内の係員が
慌てて飛んで行って注意するという徹底ぶりに感心、安心♪
さて実は私、日本の伝統芸能の中でも『狂言』は初めての鑑賞でしたが、これはいい。
一つ目の演目『魚説法(うおぜっぽう)』
寺の留守を任された新発意(若い僧侶)が、お布施欲しさに住持(住職)の代わりに
説法を引き受け、調子よく、魚の名前を並べただけの「インチキ説法」を声高らかに謡う。
(ん?何かヘンだぞ?)
漸く気づいた施主が怒り出し、最後はドタバタの追い掛けっこで・・・ハッハッハ♪
『8時だヨ!全員集合』ドリフのコント発祥はここからですね( ^^)
二つ目の演目『靭猿(うつぼざる)』
大名と太郎冠者が狩りに出掛ける途中に猿曳(猿舞)と出会い、大名が
自分の靭(うつぼ、矢を入れる道具)にその子ザルの皮を使いたいので譲れ、
と猿曳に理不尽に迫るところから始まる。しかし、
こちらは是非とも生で皆さんに鑑賞していただきたいので言葉少なに・・・。
とにかく、自分勝手な大名に人の心が灯り、人間味がどんどん溢れてくる様子に
心が洗われるようで、とてもホッコリとする『名作』です♪(^^)
『芸術は長く、人生は短し』
長く受け継がれてきた「大切なもの」が廃れることが無きように・・・
それを守るのは我々の使命であり、見誤らぬようにしていきたいですね。
まだまだ全国的に感染の落ち着かぬ状況が続きますが、
どうか愛しの皆様にはご自愛いただき、再びお会いできる日を
楽しみにお待ちしております。 館主
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